シテ・デュ・トラン
(その9)

2014年08月05日(火)
比較的新しい車両で1958年製、SNCFの Z 604。登山鉄道で使用されていた第三軌条方式の電車で、なんとなく日本の電車に顔つきが似ている。新しいのもどおりで、2009年にここへ収蔵された。
1950年製、SNCFで使用されていた X 3847 (decoupe a un tiers)。片側の屋根に飛び出した運転席が特徴で、その左右非対称の配置から「ピカソ」の愛称を持つ。カットモデルでエンジン部分だけが保存されているが、この年代になっても内燃機関を車内の、しかも最前部に配置しているのは驚きだ。
ここからは五番線、1938年1月・SNCFの設立というコーナー。まずは1947年製、Mikado 141 R 1187。第二次大戦後、輸送基板がガタガタになっていたSNCFがアメリカとカナダから輸入した機関車。そのせいか、前面にアメリカ・カナダ・フランスの国旗が掲げられている。
1948年製、DEV 46 A2 12 B6 383 0 582。これも戦後の復興期に大量生産された鋼製車体。
1954年製、フランス大統領専用2号車 Salon presidentielle PR2。ドゴールの前の大統領、ルネ・コティから使用された。種車は先ほどのDEV46なのだが、車体を防弾仕様にして重量が増加したために補強がなされている。
内部は贅沢な作りで、随所に金や漆が使われている。
この辺になってくると、私でも見覚えのある車両が増えてくる。まずは1963年製 BB 9291 Capitole。直流1,500V区間用電気機関車のBB9200形だが、この91号機は特別にキャピトール号専用機として改造され赤く塗装されていた。キャピトール号はかつてのTEEでパリ〜トゥールーズ間をフランス初の最高時速200Kmでこの機関車が結んでいた。
1955年製、BB 9004。車体には1955年に当時の世界記録・331Km/hを記録したプレートがはめられている。
1953年アルストム社製、CC 7107。この機関車も時速331Kmのプレートがある。
1957年・アルストム社製、CC 65001ディーゼル機関車。CC65000形の初号機で、この武骨なデザインがたまらない。
ここからは六番線、1950年〜1960年代のコーナー。まずは1950年製 Mountain 241 P 16。蒸気機関車時代の最後を飾る機関車で1973年に引退した。前面にはミストラル号のプレートが掲げられている。
1955年製、世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミッタルが所有していた Wagon poche transport fonte liquide。なるほど、所有者の会社で分かるように、溶融鉄を輸送するための専用貨車だ。
1959年製、CC 14018。製造年度の割にはデザイン的に古臭く見える機関車だ。
1950年製、Draisine n 4070 Billard。Draisine はトロッコ車の意味。
同じく1950年製のトロッコ車、Remorque de draisine n 2 "Mauzinette"。
(その8)(その10)
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