14王立空軍博物館・コスフォード館
(その5)

2014年08月07日(木)
次は冷戦館。丘陵に建てられた建物は独特の形状をしている。
ソ連機の有名どころ、Mig21 PF。1950年代後半から本格的なレーダーを搭載し、このMig21シリーズで初めて全天候能力を備えたタイプ。これより以前のMig21は水滴型のキャノピーを有していたが、PF以降コクピットの後ろにレーダーを搭載してのっぺりとした印象になった。
もうひとつのソ連機、Mig15 bis、NATOコードネームはファゴット。第二次大戦終了後ドイツから入手した技術を元に製造され、朝鮮戦争初期には西側の戦闘機を圧倒した。bisは改良主生産タイプでこの機体はポーランド空軍の塗装がされている。
ゼネラル・ダイナミクス社製F-111Fアードバーク。いわゆるセンチュリーシリーズの一機で世界初の実用可変翼を搭載した機体。F型は最終生産型で、アビオニクスとエンジンを換装しシリーズ中最高性能を有したと言われている機体。1996年に退役した。先ほどみたTSR2の開発が中止された後、イギリス空軍では一時期このF-111Kの導入を検討したが、これも予算が承認されず最終的にバッカニアが導入された。
そのTSR2以降、最終的にイギリス空軍が行きついた爆撃機がこのホーカーシドレー社製のバッカニア。元々は海軍の攻撃機で低空侵入能力に優れた機体で1994年に退役した。
1954年に初飛行したホーカーシドレー社製、ハンターF4。グロスター・ミーティアの後継機として開発され1961年に退役した。F4はF1に翼内燃料タンクと増槽を追加しエイヴォン115を装備した。
マクドネルダグラス社製F-4ファントム2。イギリス空軍・海軍に導入され、その時にエンジンをロールスロイスのスペイに換装し、1992年に退役した。
イングリッシュ・エレクトリック社製キャンベラPR9。元々は1949年に初飛行した爆撃機だが、PR9は1958年に初飛行を行った高高度偵察機タイプ。主翼や尾翼の変更を行いエンジンをエイヴォンRA28へ換装し、2006年まで現役だった。
アメリカ・ノースアメリカン社製のF-86セイバーをカナディア社でライセンス生産したMk4。ホーカー・ハンターが配備されるまでの繋ぎとして1953年〜1956年まで僅かな期間だけ活躍した。
イギリス初のジェット戦闘機、グロスター・ミーティアの夜戦型NF14。NF11の改良型で分割キャノピーが採用された。
グロスターエアクラフト社製ジャベリン戦闘機。イギリス空軍初の超音速デルタ翼機で全天候性能を有する。
先ほどもあったホーカーハンターの複座練習機T7。複座と言っても横並びに配置されているので、少し太った印象だ。
垂直に宙づりにされているのはBACライトニング。双発ジェット戦闘機としては唯一上下にエンジンを配置した珍しいスタイル。この配置のおかげで空中火災事故を頻発していた。
(その4)(その6)
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