14王立空軍博物館・コスフォード館
(その3)

2014年08月07日(木)
次からは屋内展示を見て回る。まずはハンガーを改造したテスト機のコーナーだ。フランスのルブルジェもそうだったが、実験機のコーナーはゲテモノが多いので楽しみだ。
実はここで痛恨のミスが…このテスト機のコーナーの奥にもう一つ戦争で使われた飛行機の展示コーナーがあるのだが、なんとそこを見逃してしまった。ここにしかない100式司偵とかあったのに…
フェアリー・デルタ2の2番機で、博物館ではデルタ3の記載があった。1947年に超音速飛行の特性を調査するための要求仕様ER103に基づいて設計された機体。この機体は1956年に時速1132マイル(…何キロ?)の世界記録を樹立した。
個人的にはこの博物館のゲテモノナンバーワンだと思う、1954年グロスター・エアクラフト社製のグロースター・ミーティアF8「Prone Position(腹臥位)」。文字通りうつ伏せになって操縦するための実験機で、対G対策の一環と空気抵抗を軽減するという目的でうつ伏せにするというアイディアだったのだが、操縦性の悪化がそれを上回るという実験機を作る前に気が付けよという理由で実験は中止された。
1957年、サンダース・ロー社製 SR.53。1952年の作戦要求301で、ロケットエンジンを搭載した迎撃機の開発要求に基づいて作成された機体で、マッハ2を記録した。しかし機体が小さくインターセプターとして十分なミサイルを搭載することができず、(悪名高いと書かれていた)1957年の防衛白書で有人戦闘機開発の中止を受けて実験は終了した。
1986年、ブリティッシュ・エアロスペース社製EAP。次期新型戦闘機の獲得を目指してBAe社が独自に計画を開始した機体で、後にイギリス国防省の追認を受けた。ダブルデルタ翼にカナード翼を備えた独特の形状で、フライバイワイヤや複合炭素繊維を使用するなど先進的な取り組みがなされた。この機体で得られた様々なデータは、後のユーロファイター・タイフーンの開発に生かされた。
フランスとイギリスが共同開発した訓練機・ジャギュアを、1981年にフライバイワイヤの実証実験機としてBAeが改造した機体。フライバイワイヤによって機体の重心位置を変えることにより、15%程燃費が良くなったらしい。
1963年、ハンティング社のH126。ジェットフラップの実験用に作成された機体で、時速52Kmで飛ぶことができた。ジェットフラップとはVTOL機を実現するための技術の一つで、翼に空気を吹き付けるこで揚力を得ていた。後にNASAで風洞試験のために貸し出された後イギリスに戻り、この博物館に収蔵された。
1964年、ホーカー・シドレー社製のケストレル FGA1。見ての通りハリアーの基になった実験機で、P1127からの改良機として発注された。
(その2)(その4)
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