板門店
(その2)

2006年8月14日(月)
展望台から離れると、次はいよいよ休戦会議場の見学へ。再び自由の家の中を通りぬけ、建物の真正面から出るとあの建物が立ち並んでいる。残念ながらここでも写真撮影は禁止。あちこちに韓国軍の兵士が立っているから、おちおち隠し撮りもできやしない。
しかし建物内は自由に撮影可能だ。国際的な舞台にも関わらず会議場はとても質素な建物だった。建物自体も国連軍を示す青い建物だが、内部も青で塗られている。

机の中心が国境
建物内には随所に椅子と机が配置されていて、その中央に位置する机の上にマイクのコードが引かれており、それがちょうど休戦ラインになっている。この休戦ラインを超えると北朝鮮の領土だそうだ。ほんの数メートルだが北朝鮮の地を踏んだことになる。
韓国軍の兵士が3名、アメリカ軍の兵士1名が同行するのだが、そのうちの韓国兵1名がちょうど休戦ラインの真上に立っている。兵士の身体に触れなければ一緒に並んで記念写真を撮るのもOKだ。
みんなで記念撮影
彼らは両手を腰のあたりにやや持ち上げる独特のポーズで突っ立っている。これは腰にある銃をすぐにでも抜ける態勢なんだそうな。そしてサングラス。これは目の動きからどこを監視しているのかを北朝鮮側から察知されない為に、わざと色の濃いサングラスをかけているんだとか。やってる方はどれも真剣なんだろうが、平和ボケした人間からみるとなんとも滑稽に思える。
もう1名の韓国兵は、北朝鮮側の出口の目の前に立っている。その扉を開けばすぐそこは北朝鮮なのだが、当然そこを通過することは許されない。事前にIムさんからその兵士の後ろには絶対行かないように、行くと亡命とみなされて撃たれることもあります、と厳重に注意があったのだが、観光客の1人がフラリとその兵士の後ろへ行こうとしてしまった。
北朝鮮への扉

扉の前で警備する兵士
すると今までマネキンかと思うほど微動だにしなかったその兵士が突如その観光客の腕をがしっとつかみ前へ引き戻した。一瞬、周囲が緊張しIムさんがそっちはだめです!とかけよってきた。
実は密かに北朝鮮側の扉へダッシュする真似をしようかと企んでいたのだが、これを見て怖くなってやめてしまった^^;
建物内から外に向けて写真を撮ることも可能だ。ただしガラス窓は相当汚れているのできれいな映像は撮れない。きっと外側の窓拭きをするのにも一々協議しないとできないからあまり掃除していないのだろう。
窓の外は北朝鮮

外で半分隠れて警備する兵士
北朝鮮の兵士を間近で写真に撮りたかったのだが、我々(韓国側)が会議室に入る時には、外の警備は韓国側だけになるらしい。残念ながら写真は撮れなかった。その代わり韓国側で警備する兵士の写真は撮れた。身体を半分建物に隠しているのは、いつ銃撃戦が始まっても隠れることができるようにするためだそうだ。
出口付近では韓国軍の兵士とアメリカ軍の兵士が立っている。そしてアメリカ軍の兵士はというと、入口付近でガムをくっちゃくっちゃさせながら「バカな暇人が、こんなとこ見てなにが面白いのかね〜」みたいな顔をしてだらだらしていた。
狭い会議室は大混雑

会議室内の椅子
共同警備区域なのに、一方の韓国軍の兵士は真剣な顔をして微動だにしないのに、アメリカ人はどこへ行ってもアメリカ人…という対比はある意味おもしろかった。
ここでの見学時間もわずか5〜10分。いくら狭いとはいえやはり時間は短い。
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