ル・ブルジェ航空宇宙博物館
(その9)

2014年08月06日(水)
さて再び本館に戻って今度は宇宙のコーナー。正直ミサイル関係は詳しくない上に、当日は時間がなくてこのコーナーは大雑把にしか見ていないので解説に間違いがあるかもしれない。まずはS3中距離弾道ミサイル。二段固定燃料式ロケットで1.2メガトン相当の核爆弾を運搬できる。1980年からS2ミサイルの後継として約40基が順次配備された。冷戦終結後、フランスの核戦略は潜水艦発射タイプに切り替えられたため、1996年から段階的に廃止されていった。
こちらも同じS3だが、分割されずに直立して発射サイロに模したような展示がされている。さすがに直立させるとでかすぎて建物に入らないようで、地面を少し掘り下げている。
ミサイル発射基地の指令室。まぁ本当にこうなっているのかは疑問だけど…
フランス海軍が運用していたル・ルドゥタブル級原子力潜水艦に搭載されていたM20潜水艦発射弾道ミサイル。二段固定燃料式ロケットで、こちらも大きさの割に1.2メガトン相当の核爆弾を運搬できる。M2ミサイルの後継として1977年から配備が始まり、1991年に後継のM4ミサイルへ転換されて退役した。
フランス初の実験用ロケットEA41。1941年から開発が始まった液体推進式のロケットでだが、フランス降伏後にどうやって開発していたのだろうか?
ジェムズと呼ばれるプロジェクトで使用されたルビスロケット。高度2400Kmまで25Kgの重さの物体を運ぶ能力を持つらしい。
ルビス2と呼ばれる無線遠隔測定タイマー…説明を良く読んでも分からなかったが、先ほどのルビスロケットの親戚だろうか?パリの天文台で宇宙からの電波や放射線等を観測するために使われていたものらしい。
ヴェロニクロケット。戦後、ドイツのロケット技術者も協力して作られた液体式ロケット。1949年から開発が始まったが、殆どが失敗したようだ。
一方、戦時中のロケットの代表格といえばドイツのV2。正確にはA4ロケットでエンジンノズル部分だけの展示だ。
フランスの天文学者・オドゥワン・ドルフュスが、フランスで初めて観測用に使用した気球。
多分、ソ連のUSSR-1気球の模型。1933年に非公式ながら19000mの高度記録を樹立した。
世界初の人工衛星、ソ連のスプートニク。模型だけなら割と世界中で見かける展示。
テレコム1A衛星。その名の通り1984年に打ち上げられたフランスの大都市圏や海外領土間の通信(電話、ラジオ、テレビ)中継衛星。
アラブサット1A衛星。1985年にアリアン3で打ち上げられたサウジアラビアの通信衛星。打ち上げには成功したものの、この衛星は太陽電池パネルの不具合で予定していた機能を発揮できなかった。
1965年にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたソ連のモルニア1A通信衛星。モルニアは衛星のシリーズで、現在でも同名の後継衛星が複数、衛星軌道上を周回している。
1964年、フランスと西ドイツの共同で打ち上げられた世界初の通信衛星、シンフォニア1。
1972年、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からフランスとソ連の共同で打ち上げられた Prognoz2 観測衛星。宇宙ガンマ線や太陽爆発等を観測し、1982年に大気圏に突入して消滅した。
1982年、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたソ連のソユーズT6有人宇宙船。フランスとソ連共同のインテルコスモス計画の一環で、宇宙ステーション「サリュート」にフランス人宇宙飛行士を運んだ。
アメリカの月面着陸用のエンジン。
1970年、ソ連製のルノホート1。ソ連初の月面に送った無人ローバーでルナ17号で月まで運ばれた。この車両は史上初の他の天体上に到達した遠隔操作可能なロボットだ。
1966年、バイコヌールから打ち上げられたソ連のルナ9号無人月探査機。史上初の月面軟着陸を行った。
1979年に打ち上げに成功したアリアン1のロケットフェアリング。このフェアリングは発射246秒後に高度11000mで投棄されるらしく、これが本物なら投棄された海上か海中からわざわざ回収したのだろう。
その他、もうフォローしきれない様々な展示。
(その8)(その10)
軍事のトップに戻る
トップに戻る