18ミュージアム・オブ・フライト
レストレーションセンター
(その2)

2018年04月08日(日)
デ・ハビランド・D.H.106・コメット Mk.4C。1949年に初飛行した世界初の商用ジェット旅客機。戦後の旅客機市場をアメリカより有利に進めるためにイギリスが威信をかけて開発したものの、金属疲労による連続墜落事故を起こしその間にアメリカの航空業界にあっさりと抜かれてしまった。この機体はアメリカにある唯一の機体で1959年に初飛行し、その後1970年までメキシカーナ航空で使用された。その後はチャーター機等に使われた後、1990年にこの博物館が購入し見ての通り現在は修復作業中だ。
機体下部から内部を見ることができる。機体の電源を生かすために、外から様々な配線がされている。
機内を見学することもできる。初期の旅客機なので入口はかなり狭い。
コクピットはこの当時の機体らしくアナログスイッチが所狭しと配置されている。イギリス機らしい窓配置が特徴。
コクピットのすぐ後ろ、搭乗ハッチのすぐ目の前にギャレーがある。かなり狭い印象で、この当時は今のようなカートが無いのが分かる。
意外にもトイレは今の機体と同じくらいの広さで鏡も大きい。デザイン的にもそんなに古臭さを感じさせない。
機体の前方はファーストクラスのシート。最初見たときエコノミーのシートかと思いました…当然今のシートとは雲泥の差で、オレンジ色がかえって余計にチープに見える。
ストレージは現在のように蓋は無く、電車の荷物棚のようになっている。ただエアコンの吹き出し口や読書灯等はあまりデザインが変わっていない。
連続墜落事故の原因にもなった窓枠。最初のMk.1は窓枠がDC3のように四角く、気圧に耐えられなくなった機体はこの四隅からヒビが入り空中分解を起こした。事故後はここが丸型に変更された。ブラインドではなくカーテンを使用しているのもこの時代らしい。
機内の作りは基本的にレトロ。今の飛行機には無い味わいがある。
後ろ側はエコノミークラス。意外とこちらは今とあまり変わらない。開放されているのはここまで、この奥は仕切りがあり修復工事の真っ最中だ。
(その1)(その3)
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