18フライング・ヘリテージ・コレクション[本館]
(その2)

2018年04月08日(日)
メッサーシュミット・Me163B・コメート。人類史上唯一の実用ロケット戦闘機で当時の最速記録を更新したが、飛行時間が僅か8分間で液体ロケット燃料の扱いも難しく、実戦配備されたものの華々しい戦果を上げられなかった。この機体は1944年12月18日に製造されJG400に配属されたが、実戦を経験したかは不明。1945年5月8日にイギリス軍に捕獲されRAEで評価、その後帝国戦争博物館で展示されていたが2005年にこの博物館へ収蔵された。良くあの博物館から個人が買い取ることができたものだな…
Me163に搭載されているMk108 30mm機関砲。
Me163に搭載されていたロケットエンジン・ワルターHWK 109-509 A-1。A-1型は最初の量産エンジンで1944年から使用された。
Me163を地上で牽引するために使用されたシュシュ・シュレッパー?元々は農業用トラクターを改造したもので、写真では分かりにくいが三輪車になっている。離陸時に発射位置まで牽引するのは勿論だが、Me163は一度離陸すると車輪を切り離してソリで着陸するため、地上では自力では動くことができないのでこのトラクターが回収にも使われた。
フィーゼラー・Fi103R・ライヒェンベルク。有名なV-1飛行爆弾の有人タイプで、一応目標近くまで人間が誘導した後に脱出することになっている。結局現場の反発もあり、配備されたものの実戦に投入されることはなかったが、試作段階でかなりのテストパイロットが脱出に失敗して死亡している。この機体はノルトハウゼンにある地下工場にあったが、1948年にソ連が工場入口を爆破して以来忘れ去られていたが愛好家の発掘により発見され、2001年にこの博物館に収蔵された。
こちらが元になったフィーゼラー・Fi103 V-1飛行爆弾。世界初の誘導ミサイルだが、その性能は今の誘導ミサイルとは比べ物にならなかった。この個体もさきほどのライヒェンベルクと一緒に発見されたもの。
ミッテルベルクGmbH・V-2ロケット。いやーこれも個人が所有できる代物じゃないよなぁ…このミサイルはノルトハウゼン近郊の地下施設から1990年代に回収された部品を組み立てたもの。
(その1)(その3)
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