18フライング・ヘリテージ・コレクション[本館]
(その3)

2018年04月08日(日)
スーパーマリン・スピットファイアMk.Vc。バトルオブブリテンでナチスドイツからイギリスを救ったイギリス人大好き戦闘機。Mk.Vはエンジンをマーリン45シリーズに換装し、当時イギリス軍を苦しめていたBf109F型と互角に戦うことができた。Vc型は20mm機関砲2挺か7.7mm機関銃4挺を選択できるタイプ。この機体は1942年9月11日にRAF第312飛行隊(亡命チェコ・スロバキア人による部隊)に配属され、トマス・ビバイラルさんが操縦していたが事故で損傷した。戦後は教育用やゲートガード等に使用されていたがスクラップとなり、1964年にカナダの博物館に売却され、その後1999年にこの博物館に収蔵された。
ホーカー・ハリケーンMk.XIIA。スピットファイアと並んでバトルオブブリテンでイギリスを守った戦闘機。XIIA型はカナダで生産された7.7mm機関銃を8挺装備したタイプだが、この機体は元々シーハリケーンとして1942年1月22日にカナダ空軍に配属された。実際に戦闘に参加した経験はないものの着陸に失敗して大破した後は農場に放置されていたが、イギリスで修復後2006年3月15日に再飛行を果たした。
カーチス・P-40C・トマホーク。アメリカ陸軍で最初に採用されたP-40はウォーホーク、イギリス軍に供与された機体はトマホーク、D型以降をキティホークと呼んでいる。C型は燃料タンクの防弾装備を強化したタイプ。この機体は1941年にイギリス経由でソ連にレンドリースされ、ムルマンスクでドイツ軍相手に戦った。1942年9月27日、エルマーコフさんが操縦していたこの機体は燃料タンクに被弾して不時着しそのまま放棄されていたが、1990年代に発見されてチノで修復が行われた後、1999年にこの博物館に収蔵された。
ポリカルポフ・I-16 Type24・ラタ。ソ連らしい丈夫で頑丈な飛行機で、戦間期にソ連空軍の主力を務めた。意外や世界初の実用引込脚を装備した機体でもある。Type24は4挺のShKASを装備しフラップを設置、尾輪やドアの追加、エンジンをシュベツォフM-63に換装したタイプ。この機体は1940年に製造され、東部戦線でドイツ軍かフィンランド軍の対空砲火で撃墜されたらしい。機体の残骸は1991年に発見され製造された同じ工場で修復されたが、修復には元々この機体を製造した労働者の子弟が多く係わったようだ。最初ニュージーランドのコレクターが所有したが、1998年にこの博物館に収蔵された。
ポリカーポフ・U-2/Po-2。元々農業用や訓練用機として設計された機体だが、信頼性が高く操縦が容易なことからソ連軍でも多くが使用された。中でもソ連軍の女性パイロットがドイツ軍に対して夜間爆撃をしたことは有名だ。この機体は1944年に製造され、戦後ベラルーシで発見されポーランドの飛行クラブが修復し、2000年にこの博物館へ収蔵された。塗装は第二次大戦中の女性第46護衛連隊のものを再現している。
ノースアメリカン・B-25J・ミッチェル。第二次大戦中、各方面で使用された爆撃機で、1942年4月に空母ホーネットから発進して東京を初空襲したことでも有名。J型は最終生産型で12.7mm機銃12門装備、4000ポンドの爆弾を搭載できた。この機体は1944年末にカンザスシティで製造され、訓練用にヒュージE-1火器管制レーダーを搭載したタイプで、1961年までカナダ空軍で使用された。その後カナダの民間会社に売却され空中消火機に改造され、退役後の1990年代にこの博物館に収蔵された。非常に綺麗で飛行可能状態にあるが、将来的にはチノに移されるらしい。
(その2)(その4)
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