ソミュール戦車博物館
(その14)

2014年08月04日(月)
ここからは主に戦後のフランス戦車のコーナー。フランスは第二次大戦であっさりとドイツに負けてしまったので、大戦中の戦車というのが無い。地元のせいか、これから続々と増えるのだろうか、このコーナーは他と違って空間に余裕がある。まず入ってすぐ見えるのは1993年製ルクレール。しかし解説の一番最初に世界一の戦車と言いきっちゃってるのは、さすがフランス人。
1983年GIAT社製AMX40主力戦車。AMX30の後継として開発が進められたが、結局地元フランスを含めて採用する国はなく、試作車が4両製造されただけで終わったレアな戦車。結局AMX30の後継は、先ほどのルクレールが登場するまで待たなくてはならなかった。
1966年製のAMX30主力戦車。第二世代戦車にあたり、1957年に西ドイツとの間で標準戦車開発に関する協定が結ばれ、当初は両国共同で開発を行った。その結果ドイツはレオパルド1に、フランスはAMX30にたどり着き、結局標準戦車として両国で採用することはなかった。共同開発時から既に西ドイツ製の方が優秀で、結局NATO標準戦車はレオパルド1が選ばれることになった。しかし各国に輸出され、現在でもルクレールと共に現役で配備されている。
1973年製AMX10P歩兵戦闘車。、ウォータージェット推進による水陸両用機能とNBC防護機能を有する。2005年から近代化改修を行ってきたが、後継のVBCI歩兵戦闘車に更新され今後は退役する予定だ。
1991年製AMX30 EBD。1991年の湾岸戦争中に、フランス軍の湾岸戦争の作戦「Daguet」に於いて、地雷除去の必要から急遽AMX30Bから改造された車両。この車両、なんと左の写真に見えるコントローラで2000m先から遠隔制御することができるリアルラジコン戦車。湾岸戦争終結後はAMX30 BT駆逐戦車に再度改造されたが、この車両は残されて展示されているようだ。
1972年製、プリュトン 自走地対地戦術核ミサイル運搬車。この車両も元はAMX30の台車を流用し起立発射機を搭載したもの。プリュトンは本来搭載されている短距離弾道ミサイル名前で、元々はアメリのMGR-1オネストジョンを更新したもの。しかし射程が約120Kmととても東側の国までは届かず、ひそかにドイツに戦中の恨みを晴らすために配備したのかもしれない。
プジョーP4P。プジョーと書かれているが、実はドイツのメルセデスも開発に絡んでいる。ジープをフランスのオチキス社がライセンス生産したM201の後継車で、フランス陸軍で広く使われているが導入から30年以上が経過していて、新型のPVPに更新が決まっている。
良く分からんが凱旋門のハリボテとフランス国旗。なんらかの展示があったぽい。
1945年製、ARL44重戦車。ドイツ占領から戦車開発が滞っていたフランスは、1944年のノルマンディー上陸直後から、次期戦車の開発を急ぎ終戦直後に生産されたのがこの車両。まぁそういう経緯の戦車なので性能としてはイマイチで、早々に退役してしまった。
1951年製AMX50重戦車の120mm砲搭載タイプ。これも先ほどのARL44と同じく終戦直後に開発された車両で結局、試作の域を出なかった。
1964年製、AMX13 T75軽戦車。表に一杯放置されていたAMX13系列の中で、唯一館内に保存されている車両。見ての通り異様な格好で、砲塔の周囲に搭載されているのはSS-11対戦車ミサイル。
1966年、イギリスのトライアンフ社製バイクT20 WD。何故ここで展示されているのかは不明…
(その13)(その15)
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