18ミュージアム・オブ・フライト
(その3)
[グレートギャラリー]

2018年04月07日(土)
ロッキード・M-21・ブラックバード。CIA向け(軍ではない)偵察機A-12に、後で出てくる無人高速偵察機・D-21を運搬・発射する為に改造された変り種。この機体は1963年に製造され現存する唯一のM-21型。これもアメリカ空軍博物館からの貸与品。
プラット・アンド・ホイットニー・J58エンジン。ブラックバードシリーズに搭載されているマッハ3以上の高速飛行を可能にする最強エンジン。
ロッキード・D-21B・ドローン。U2撃墜事件を受けてA-12を無人化する計画が持ち上がったが、さすがに無理があったのか代わりに製造されたのがこの機体。写真の通りM-21の背中に乗っかり空中で切り離されて発射される。ラムジェットエンジンを搭載しているので、M-21が発射可能な速度まで達する必要があった。搭載された高解像度のカメラで目的を撮影した後、空中でフィルムを投棄して空中か海上で回収する。その後D-21は自爆することになっていた。
解説がなかったので良く分からないが、恐らくAG330始動機。A-12もSR-71も自力ではエンジンを始動することができないので、この始動機を使ってエンジンを始動させる。7LV8エンジンを2基搭載しているのに、この始動機自体も自走することができないので牽引車が必要という、なんとも手間がかかる機体だった。
マクドネル・F-4C(F-110A)・ファントム2。元々アメリカ海軍が艦隊防衛迎撃機として開発したもので、当初空軍に採用された時に命名されたのがF-110A。この機体は1965年に製造され実際にベトナムで実戦を経験し、3機の北ベトナム軍のMig-21を撃墜したとの記録がある。空軍を退役した後はオレゴン州の州軍に配置された。
ミコヤングレヴィッチ・MiG-21 PFM。旧ソ連のベストセラー機で、ソ連機で初のマッハ2を記録した。この機体は元々チェコ空軍のもの。
ベル・UH-1H・イロコイ。ヒューイの愛称もある。ベトナム戦争で活躍した有名なヘリコプターで16000機以上が生産され、その内7000機以上がベトナム戦争に投入された。軍だけでなく民間でも消防、捜索、研究等に使用されていた。この機体は実際にベトナム戦争に従軍し、1994年まで現役で活躍していた。
先ほどのA-12の空軍向けの機体、SR-71の機種部分。ここのコクピットに座って記念写真が撮れるのだが、小さいお友達が沢山いたので断念…
ノースロップ・F/A-18L。実はこれ、非常に珍しい機体で、開発段階では最終的に受注したマクドネル・ダグラス社と競合していたノースロップ社が作成したモックアップ。結局ノースロップは競合で敗れた為、実機は製造されなかったので現存するのはこのモックアップのみだ。これも記念写真が撮れるようになっている。
テイラー・エアロカー3。道路での走行が可能な飛行機という位置づけらしい。プロトタイプは1949年に完成したものの、民間航空局の認可が降りたのは1956年のことだった。この機体?は1960年代に自動車事故で損傷を受けた後テイラーさんが買い取り、航空機用の143馬力・リーチング0-320エンジンに換装した。自動車から飛行機への転換はわずか15分で可能で、自動車の時には翼をガレージに収納するか牽引することができる。
ウィリアムズ・Xジェット。1970年代に開発された1人乗りVTOLジェット機で試作機のみで終わった。
ボーイングB737-201。737の第一世代の-200型。この機体は1969年に製造されピードモント航空に納入された。その後USエアウェイズに移管され1995年に引退した。
下からは降着装置の内部も見ることができる。
機内はかつてのファーストクラスのシートが設置されている。
中には入れないがコクピットも見学できる。
DG Flugzeugbau Perlan DG-505グライダー。2006年にアルゼンチンで高度50727フィートの世界記録を打ち立てたグライダー。
プラット・リード・PR-G1グライダー。1942年にアメリカ海軍向けの練習用グライダーとして製造された。戦後は民間に払い下げられ、1952年に高度44255フィートの当時の世界記録を樹立した。先ほどのDG-505に記録を抜かれるまで50年以上世界記録を維持していた。
管制塔を模した展望台もあり、隣の軍の敷地等も良く見えた。
サターンV・F-1ロケット。ロケットダイン社がアポロ計画の為に開発した、未だに人類最強のエンジン。
アポロ17号の月面着陸船のモックアップ。
ノースアメリカン・アポロ指令船・007A。元々でノースアメリカン社で007号の名称だったが、途中でロックウェル社と合併してノースアメリカン・ロックウェル社の007Aになった。この機体は1968年にメキシコ湾で衝突・浮上試験に使用された実験機。1971年にもスカイ・ラブ計画の極寒試験にも使用され、1988年に修復されこの博物館に収蔵された。
アポロ16号の非常用ハッチ。
ボーイング・月面車LRV(Lunar Roving Vehicle)・技術検証用モックアップ。アポロ15, 16, 17号のミッションで使用するために1969年に作成された技術検証用のモックアップ。
ヴァイキング3・ランダー・フライトカプセル。1975年に打ち上げられた火星探査計画・ヴァイキング計画の地上探査機。実際に火星に行ったのは1と2で、この3は地上テスト用に用いられた。
その他宇宙関係の展示。
レスキュー500カプセル。1992年に旧ソ連のプレセック宇宙基地からソユーズで打ち上げられた。コロンブスのアメリカ大陸発見500年記念事業の一環として打ち上げられ、打ち上げの一週間後にワシントン州の太平洋沖合いから回収された。
SK-1宇宙服。世界初の有人宇宙飛行を行ったボストーク1号でガガーリンが着用した宇宙服。
これもあちこちの博物館でお馴染みのスプートニク1。世界初の人工衛星でこれも当然複製なのだが、博物館の解説には「旧ソ連で作られた技術的複製」と書かれていた。どういう経緯かは分からないが、少なくともアメリカの博物館が適当に作った複製ではないらしい。
EECOM。アポロ計画の時に使用された地上側の指令装置。
(その2)(その4)
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