コンラッド・東京
ガーデン・クラシックルーム

(その2)
http://www.conradtokyo.co.jp/

2006年6月04日(日)〜6月05日(月)
朝食はゴードンラムゼイで。セリーズでと書いてあったのだが客は誰もおらず、入口付近で朝食券を渡すとメインダイニングの空いていた窓側の席に案内してくれた。
飲み物のオーダーを聞かれおもむろにメニューを渡される。そこにはそれぞれの朝食がいくらいくらと書いてある。なんで?ウェイターを捕まえて聞いてみると我々がもらった朝食券はビュフェのみで、卵料理等のホットミールは別料金になるそうな。
その別料金の部分をこのメニューから選べとのこと。同じ仕組みはミュンヘンのヒルトン等にもあったが、向こうは外国人の我々にも一目で分かるような案内があったものだが…それにしてもいきなりなんの説明もないと、日本人でもそんなこと分からんぞ。
でもそのウェイターは親切に、ホットミールをわざわざ頼まなくてもビュフェだけで結構お腹が一杯になりますよ、今注文しなくても後でまだ食べたくなってから注文してもかまいませんよ、との親切な案内。
ホットミールは前回ラウンジで食べた時に美味しかったのでちょっと興味があったが、とりあえずそのアドバイスに従ってビュフェに向かう。品揃えはそんなに多くはないが一通り揃っている。特筆すべきは日本食。といっても数は少ないが、竹筒に収められた蕎麦と豆腐がとても美味しかった。外国人客が多いためだろうか、かなりこだわっているようだ。
パンとシリアルはシェフズテーブルの上に専用で置かれいるほど種類が豊富に用意されている。ただスペースの関係だろうか、トースターが別の場所にあり、その存在に気がついたのはかなり他のパンを取ってしまった後だった。
朝の08:30頃に朝食を取ったのだが、一番混雑している時間だと思っていたのにそれほどでもなかった。団体客が入ってると聞いていたからさぞや騒々しいだろうと予想していたが、そんなこともなく静かで良かった。朝食券はルームサービスにも振り替えることができるので、部屋で食べている人が多いのかもしれない。ただしこちらはコンチネンタルのみで内容はかなり寂しい。
朝食の後は浜離宮へ散歩に出かけてみる。そういえば開業当初は浜離宮の入場券だか割引券だかをフロントで配っている、というのを聞いたことがあるが今はその案内はないようだ。
ホテル内はとても静かな空間だったが、一歩外を出ると喧騒と排気ガスにまみれている。大型のトラックや車がひっきりなしに走る道路を一本渡るとそこが浜離宮だ。離宮の周囲をぐるりとお堀?が囲んでいるが…腐臭の漂う透明度0のドブ川だ。
それでも一歩中に入ると木に囲まれているせいか、先ほどまでの騒音と排気ガスの臭いがウソのようだ。ただそれでも離宮内の池は、外のドブ川ほどではないがこけや水草が野放し状態でとても風情があるとは言えない。
それでも京都とかにある庭園ほどではないが、東京にもこんな場所があるのかと驚いた。ふと振り返ってみると、緑に囲まれた離宮の外には近代的なビルがにょきにょき生えていてその対照的な姿がおもしろい。もちろんコンラッドも良く見える。
場所柄、外国人観光客が日本人よりも多いような印象だ。ただ平日の朝早くなので元々見物客は少ない。おかげで随分のんびり散歩ができた。あちこちにつぼみをつけたばかりのあじさいが咲き始め、そろそろ梅雨なのだと感じさせてくれる。
ホテルと庭園という組み合わせはフォーシーズンズ・椿山荘と似ているが、フォーシーズンズはホテルから庭園が直結しているし園内のメンテも驚くほどキレイだ。最も浜離宮はコンラッドとなんの関係もないのだが。
ホテルに戻ると10時くらい。前回入りそびれたコンラッドのお土産屋?に入ってみる。いつもターンダウンの時にもらえるベアが1つ1260円で売られている。季節毎に色が変わるようで、昨日もらった夏バージョンも含めて4種類が売られているが、例のクリスマスバージョンは置いていないようだ。全種類買ってみようかという気にもなったが、それよりもそれぞれの季節に泊まってもらう方が楽しいだろうと思ってやめた。
驚いたのはバスアメニティのセット。シティ、ガーデン、それぞれ売られているが、シャンプー、コンディショナー、バスジェル、ローション、固形石鹸のセットでなんと4200円。こんなに高いなんて知らなかった…昨夜のターンダウンの時に1セット頂戴とお願いしたんだけど、そんなに簡単に貰っても良かったのかな?
で結局、結婚記念のお祝いとして奥さんにつげの櫛を買う。嗅いでみるとほのかに良い香りがする。店員さんの話によると、椿オイルを使ってすくとやがて櫛がベッコウのような色艶がでてきていい感じになるそうだ。
ところでこういうショップでの買物も部屋付けにすることが可能だ。そうすると当然HHのポイントの対象となるので実質割り引かれたことになる。
部屋に戻ったがランチまではまだ時間があるので、お気に入りのプールに行ってみる。
受付には外国人の一家がおり、なにやらフィットネスの説明を受けているようだ。前回来た時は、利用する度にプールが利用できる宿泊プランかHHの会員かと聞かれたが、今回はなにも聞かれずにサイン一つでOKだった。
さすがに月曜日のこの時間はがらがらだった。プールで外国人女性が1人で泳いでいたが、それもいつの間にかいなくなっていた。誰もいないプールを独り占めにして、のんびり泳ぐのは気持ちが良い。
少し休憩をしにプールを出る。窓側に向かって配置されている特等席に足を投げ出して外を眺めると、向かいに見えるビルではみんな働いてるようだ。おーおー、みなさんご苦労なことで。とはいえ、明日は我が身なのだが…
イスでごろごろするのも楽しいが、ずっとだと飽きてくる。せめて新聞でも持ってくれば良かった。
のんびりしていると、さきほど受付にいた外国人一家がスタッフに連れられて服を着たままプールにやってきた。どうやらフィットネス全体の見学をしているらしい。ということは宿泊客ではなく、近所の住人が入会しようか見学に来たのだろうか?こんなプールに毎日通えるとはうらやましい限りである。
プールでだらだら泳いだり、イスでごろごろするうちに12時になるのでそろそろ部屋に戻ることに。
部屋に戻って着替えや荷物の整理。それにしてもたった1泊の国内旅行(というほどのものでもないが)なのに海外旅行なみにお土産を買っている。当然、持ってきた小型のトランクには入りきらない。地方に住む人間にとって、東京は海外と一緒ってことなんだな。トランクに入りきらない荷物は1つの紙袋にまとめたが、それでもトランク*2と紙袋、譜面台が入ったダンボール箱と楽器ケースで5つも荷物がある…
後はランチのおよびがかかるまで部屋でのんびり過ごすことに。一応予約時にはなるべく早く席が空いたら案内してもらうようにお願いしてあるが、予約の5分前にようやく電話が。しかしまだ前の客がおしゃべりしていてなかなか席があかないそうなので、もうしばらく待って欲しいとのこと。レイトチェックアウトを15時までお願いしてあるが、さすがに13:30を過ぎるとやばいかなと感じてきた。
結局電話がないまま13:45頃にレストランに赴き、喫煙でも窓側でなくてもかまわないので案内して欲しいとお願いした。しばらくセリーズの席に座って待つが、どうやらぎりぎり席が用意できたらしい。予約通りの窓側禁煙席に案内してもらえた。
まず飲物のオーダーから。特にメニューを渡されることもなく「なんになさいますか?」と言うので、フルーツのジュースはなにがありますか?と尋ねてみた。オレンジやアップルといったありきたりのフルーツしか用意していないようで残念。ここはワインは豊富に用意しているらしいが、酒が飲めない人のためにも、もう少しジュースの種類を充実させて欲しいところ。
この後、水のオーダーも聞かれた。これはさすがに初めての経験。水のオーダーというから、好みの硬水だったらなんでも良いとお願いすると、ガス入り、ガス無しのどちらが良いかと聞かれる。ノンガスを頼むとビン入りの水がやってきた。他のテーブルを見るとどうも皆同じビン。どうやら水のオーダーとは、各国のいろんなミネラルウォーターを選べるのかと思ったが単にガスの有無だけらしい。
飲物が来るまでの間メニューを見せてもらう。前菜を2種類から、メインを3種類、デザートを3種類から選ぶ。メインは自分が鳥で奥さんが魚。注文してといわれるが…「鰈」ってなんて読むんだっけ?仕方が無いので、指差しオーダーだ。注文を復唱されて、「お、そうだ、カレイだった」と納得。ちょっと漢字が読めないと思われたかな、少し恥ずかしい。
まずはパンが運ばれてくる。蕎麦、胚芽、オリーブの3種類から選べるようになっている。パンは少し冷めていて焼きたてという感じではないが、一緒に出されたバターはとてもクリーミーで美味しかった。このバターを食べるためにパンがあるような感じ。
続いてスープが。スープは1種類だけで選択できない。詳しい説明は忘れてしまったが、フタを空けた瞬間にとても良い香りが漂う。このスープも味が濃厚で、一口すすると鼻の奥まで豊かな香りが広がる。
次は前菜だ。自分はマグロの練ったものにキャビアとかがのっており、下はきれいに輪切りにされたキュウリが見事に並んでいる…なんて名前か忘れてしまった。全体的にオリーブオイルなんかでしっかり味付けされており、魚の生臭さなどは全然なく非常にあっさりした味わい。生のマグロとなるとどうしても醤油で…と考えてしまうがこういうサラダ風味なあっさり味もなかなか良い。
奥さんはサフランのリゾット。サフランの黄色が色鮮やかでまぶしいぐらい。自分が食べたマグロとは正反対に、随所に様々なチーズが入っていて味がしっかりしている。ちょっと塩辛いかな?という気もしたが、あっさりしたマグロを食べた後だったからかもしれない。
前菜を食べ終わると、メインが来るまでの間パンを勧められる。さっき2種類、今度は1種類選んで、全てを食べた。ついでに美味しかったバターを追加で持ってきてもらう。
やがてメインが到着。チキンは肉自体がそんなに美味しく感じなかった。全体的に少し油が多い感じがする。しかしフォアグラのソースはかなり絶品!ソースを引き立たせるために、わざとあまり味のしない鳥を選んでいるのかと思えるほどに際立っている。つけあわせのマッシュポテトもかなり美味。とてもクリーミーでポテト独特の甘みを良く引き出している。
奥さんの方の魚は、色とりどりの野菜が鰈を取り囲んでいて見た目が鮮やか。白身魚というとあっさりしたイメージだが、鳥と同様こちらもかなり油っぽい。ソースも濃厚だがやはり味がよく、薄味の鰈と良くあっている。どうもパンとバターといい、メインとソースといい、脇役が引き立っているイメージがある。
美味しくメインを食べ終え、食後の紅茶とコーヒーを飲みながらデザートを待つ。しかし、時間を見るとすでに15時5分前だ。い、いつの間に…
給仕を捕まえて、早くデザートを持ってくるようにお願いし、さらにフロントにランチで遅くなってるから少しチェックアウトを待ってもらうように連絡をお願いする。
運ばれてきたデザートは…あまりにも慌しく食べたので、よく覚えていないのだが、美味しかったことだけは確かだ。ちょっとすっぱくて苦手なベリー系のフルーツも、味があまくて美味しかった。
デザートもそこそこに慌しく席を立とうとすると、さらに最後の締めのチョコレートが専用の皿にきんきんに冷やされて持ってきた。これもおいしかったのだが、なんせ口に放り込んですぐに部屋に戻ることに。
1.5時間あれば余裕でランチが食べられると思っていたが、どうやら居心地の良い空間はすぐに時間がたつものらしい。次回からは最低2時間、できれば3時間くらいの余裕を見てまた是非訪れたい。
急いで部屋に戻ったが、今度は鍵が開かない。どうやら15時を過ぎてしまったので自動でキー情報が変わってしまったらしい。ちょうどそこにスタッフが通り過ぎたので事情を話すと、持っていた館内PHSでフロントに連絡してくれた。
しばらく待ってフロントの確認が取れたので、無事にスタッフのオールマイティーキーで中に入ることが出来た。バケージダウンをお願いして急いでにもつをまとめるとフロントから電話が。バケージダウンの荷物の数はいくつか、との問い合わせ。相変わらずスタッフ間の連携は悪いようだ。
ほどなくしてベルが到着。荷物をカートに載せて運んでもらう。どうやら荷物カートはスタッフ用の別エレベータで1階まで運ばれるらしい。きっと荷物が少なければ、ベルがそのまま荷物を持って駐車場まで案内するのだろう。
自分達だけでフロントに赴き、遅れた侘びを言いつつ清算を行う。今回は宿泊費が安かったわりには、その宿泊費と同じくらいの金額を使ってしまった…
フロントでそのまま駐車券を提示して車を正面に回してもらうようにお願いし1階へ降りる。楽しかった宿泊も、この瞬間がさびしいものだ。
まだ車は回っておらず、その場で待っていようとすると、中に入られてはいかがですか?との声がかかる。でも移動している間に車が出てきそうなので遠慮していると、すぐにやってきた。荷物を載せてもらい颯爽と左右のドアを開けてくれる。お礼を言って車に乗り込み、後ろ髪をひかれつつコンラッドを後にした。
全体的に、約3ヶ月前に泊まった前回の宿泊と比べスタッフの対応は向上しているように思う。自然な笑顔で接する人や、にこやかに世間話に応じるスタッフが増えたように思う反面、気の利かないスタッフがいたり、部署間の連携がうまくいっていないのは相変わらずのようだ。
今回一番残念だったのは、最初にも書いた結婚記念日のお祝いの宿泊なのに、そのサプライズがホテル側からは全くなかったこと。コンラッド東京より格も値段も下なホテルに誕生日や新婚旅行なんかで泊まった時は、たいていホテルからなんかしらのサプライズがあったものだ。
もちろんそういったサプライズは明記されたサービスではないので、最初から期待する方が間違っているといわれればそれまでだが、あくまでホスピタリティをウリにする高級ホテルならば(コンラッドもそうだと思うんだが…)もう少し気をつかって欲しかった。そこは期待していただけにすごく残念な宿泊になってしまった。
人によって対応はばらばらだが、トータルすれば良い方向に向かっていると思えた今回の宿泊。これならまた次回に期待できる。
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