アセラエクスプレス
http://www.amtrak.com/

2007年8月20日(月)・8月23(木)
ニューヨーク・ペンステーションからアセラエクスプレスに乗り込んだ。ここから全米各地に旅客列車が走っているので、周囲は混雑している。列車の出発・到着を告げる案内板が飛行機の国際線の雰囲気に似ている。
ボルチモア駅で撮ったアセラエクスプレス。他に走るアムトラックの車両群の中で、この列車だけが異様に目立つ。
切符はアセラ専用の窓口で優先的に購入することができる。ただ座席は指定制ではなく定員制。座れることは確実だが、良い席を確保したいと皆思うのか、改札口にはすでに長蛇の列ができていた。それでも発車5分くらい前にならないと改札を始めないのがいかにもアメリカらしい。NYペンステーションは地下ホームからの発車だ。だが上記の理由でホームにはぎりぎり着いたのでろくに写真が撮れなかった。
こちらはワシントンに到着してから撮ったもの。何本ものアセラが並んでいる様は壮観だ。だがテロ対策の為だろうか、写真を撮っていたら駅係員に怒られてしまったのであまり写真が撮れなかった。
このアセラエクスプレス、TGVを元にアルストム社とカナダの鉄道会社が共同で開発している。こうして見るとあまりTGVの原型をとどめていない。それもそのはずで、車両のロング化、ボギー台車化など韓国のKTXがほぼそのまま導入したのとは反対に、かなりアムトラックが独自の手を入れている。

元となったフランスのTGV

韓国のKTX
機関車の側面には大きく「acela」の文字とロゴマークが描かれていてカッコいい。
アセラはビジネスクラスとファーストクラスの2クラス制。ビジネスといっても飛行機のビジネスクラスほどではなく、新幹線の自由席より少しゆったりしている程度だ。
アセラエクスプレスの切符。まるで航空券のようだ。改札で確認の後車内に座り、車掌が検札すると右側の半券を渡してくれる。
まずはビジネスクラスの車内の写真。基本的には進行方向にシートが並んでいる。中央の肘掛が跳ね上げられるのも新幹線と一緒だが、枕が付いて調整できるのが特徴だ。
一両のうち数席がこのようにテーブル付きのシートになっている。この写真中央のテーブルはこの状態よりさらに広げることもできる。
こちらは2人掛けのシートのテーブル。ノートPCを載せられるようにするためか、かなり大きめだ。そして簡単にしまうこともできる。
両端の肘掛にはリクライニングのボタンと、音楽を聴けるようなチャンネルとイヤホンが付いている。
壁際のシートの下あたりにはコンセントがある。さすがに、ここら辺はビジネスユーザが多いこの区間ならではのサービスだ。
これは昔、全席指定席制だった頃の名残。廃止になった理由は良く知らないが、せっかくの装置が生かせないのはもったいない。
これはエマージェンシーキー。非常時にこれを引っ張ると、窓枠のゴムがめくれて窓ガラスが簡単にはずせるらしい。全席の窓についており、シートポケットには航空機並みに緊急時の脱出方法まで書かれている。さすがアメリカ、緊急時の対応を万全にしている。
天井の荷物入れも航空機と同じような作りだ。客車の出入り口には、新幹線と同じような次の停車駅等の案内をする電光掲示板が設置されている。
次にスナックカーの写真。客車を5両しか連結していないのに、まるまる1両スナックカーを連結しているのはすごい。16両も連結していて1両もフリースペースを設けていない新幹線も少し見習って欲しい。
ただせっかくのフリースペースも、私が行った時はがらがらだった。車内販売の基地にもなっているようで、暇なのか通路で話をしていた。その他、公衆電話も設置されている。
最後にその他の車内の設備を紹介。まずはお決まりのトイレシリーズ。このトイレは身障者用で広い作りになっている。
こちらは一般用のトイレ。シンク等もアメリカの鉄道にしては高級感があってなかなか良い。列車内とはいえアメリカの公衆トイレがこんなにキレイだとはびっくりした。
これは車両端にあるゴミ箱。アセラは皆乗客のマナーが良いのだろうか、こちらもキレイだ。
これも車両端にある車内販売用のカート。作りが航空機のとそっくりだ。
これも車両端にある大型荷物置き場。あまりスペースがないのですぐに一杯になってしまう。
これは車両間の自動ドア。透明なのがカッコいい。
これは最先端の機関車に通じる通路。通行禁止のシールが張られている。実は車内を常に警備員が巡回していて、ここで写真を撮っていた私を怪しい目で見ていた。そらーテツかテロリストじゃなきゃこんな写真撮らないよなぁ。
これも他の車両の端にあった謎のフリースペース。形状からすると、スナックカーにあった公衆電話を撤去した後じゃないかと推測する。やはり日本と同じくアメリカでも携帯電話が普及しているので、公衆電話の需要が少ないのだろう。
ふと車窓を見てみると大きな川を渡っていた。そういえば車内の探検に夢中になっていて、外の風景をあまり見ていなかったなぁ。
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