ザルツブルク祝祭劇場
(ザルツブルク音楽祭)
http://www.salzburgfestival.at/

2005年8月18日(木)〜2005年8月20日(土)

会場ではテレビ中継も
オーストリアの小都市、ザルツブルク。普段は静かなこの街も、夏になると賑わいをみせる。ザルツブルク音楽祭を目当てに、世界中から観光客が集まってくるからだ。かくいう自分もその一人。以前にも訪れたことがある街だが、音楽祭は初めて。音楽祭の有る無しで、街の様子がこんなにも変わるものかと驚いた。
モーツァルト作曲 歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」
2005年8月18日(木) 19:30開演
祝祭大劇場

指揮 P.ジョーダン
演出 U.ヘルマン, K.E.ヘルマン
出演 T.イヴェリ, M.ボーモン, H.ドナート, C.シュトレール, R.ブラウン, T.アレン
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ホテルから演奏会場へ行く途中のゲトライデ通りには、既に演奏会に行くと思しき人達がちらほら見える。やはり皆かなりドレスアップしている。
会場入り口は、正装した集団でごったがえしている。

祝祭劇場入口

ホワイエで談笑
皆シャンパンを片手に談笑、まさにセレブな世界。時折VIPらしき人たちが、音楽祭公式スポンサーのAUDIの車に乗って颯爽と到着する。
シャンパンも飲めないセレブな世界とは無縁の自分たちは、さっさと会場に入ることにする。
開演前に、携帯電話の音を大音量で鳴らして注意を促す案内が流れる。そしてこの案内はジーメンスが提供していますみたいなアナウンスが流れた。
エントランスの様子
今日の演目は「コシファントゥッテ」。5月に予約を入れた時点で、もうモー
ツァルトのオペラで空席があるのはこの演目しかなかった。本当は魔笛とか見
たかったけど、やっぱり人気のあるオペラは真っ先に売り切れるみたい。
演出は前衛的。背景がモノトーン一色なので、出演者や小道具に意識が集中するような、先日のアイーダとはうって変わってシンプルな演出。それでも作品の世界観を壊すようなことはなく、すんなり理解できる仕上がりだった。

終演後
大満足の後、会場を後にする。既に辺りは暗くなっている。屋台のソーセージを食べながらホテルに戻った。
フィシャー・ディスカウ特別演奏会
2005年8月19日(金) 20:00開演
祝祭劇場

シューマン作曲 劇音楽「マンフレット」
シューマン作曲 交響曲第4番

出演 P.ジモニシェク, N.レーナー, D.ハリング, F.フォン・ボトマー, J.ブフヴァルト
演奏 モーツァルテウム管弦楽団(フェルゼンライトシューレ)
今日の会場は祝祭大劇場。サウンドオブミュージックにも出てきた、山の岩盤をくりぬいて作られた独特のホールだ。しかし現在は、来年のモーツァルトイヤーに向けて改修中で、いたるところでコンクリートがむき出しになっている。

改修中の劇場
会場は映画で見た印象より、思ったより小さく感じられる。音響はずいぶん硬質な反響音の割りに、全体としては柔らかくホール全体の隅々までに響き渡る感じ。さすがカラヤンがこだわった音響にしただけあって、今まで聴いてきたホールの中でもかなり独特な響きだった。
せっかくフィッシャーディスカウの独唱なのだが、曲は詩の朗読ばかりなので彼の歌を聴きに来たつもりでいると少しがっかりする。
曲の終了後、市長だか行政府のお偉いさんらしき人が、延々とディスカウを称える演説をドイツ語でしている。なのでなにを言ってるのかはチンプンカンプンなのだが、へたをすると演奏よりも長くなりそうな演説だった。最後に勲章みたいなのをあげてようやく長い説教が終わり前半部が終了した。
後半はシューベルトの4番。多少荒っぽさも感じるものの、リズムに乗った小気味の良い演奏だった。
豪華な雰囲気のホワイエ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
2005年8月20日(土) 11:00開演

ラフマニノフ作曲 交響詩「死の鳥」
細川俊夫作曲 循環する大洋(音楽祭委託作品、世界初演)
リムスキー・コルサコフ作曲 交響詩「シェヘラザード」

指揮 V.ゲルギエフ
演奏 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
中プロの曲は、いかにも現代曲ですって感じの曲。日本の作曲家、細川さんが今回の音楽祭のために作成した嘱託作品だ。解説を読んでみると、この曲はシリーズものになっているらしい。
現代曲はさっぱり解らないので、こんなもんかと思う。ちょっと昔やっていた吹奏楽っぽい雰囲気。演奏終了後、細川さん自信が舞台に上がり拍手を浴びていた。
ウィーンフィル

会場内にあるカラヤンの像
メインはシェーラザード。昨日の演奏も良かったがさすがウィーンフィル、差は歴然としていた。とても豊かで美しい響き。コンマスのソロも最高だ。
終演後、会場内の土産物屋で買いまくる。たまたま例の細川さんが通用口から出てきたところにでくわしたが、日本のおばちゃん軍団に取り囲まれていた。
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